司法試験黙示録 @gouyokunakaze

3回目受験生。再現答案とか適当に書いてる。ツイッター→@gouyokunakaze

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合格発表まで残すところあと1週間。現在、9月3日(火)18:00。来週の今頃は歓喜か、あるいは・・・。

時間を持て余しているので、勝手ながら自分の答案と再現ブロガーさんたちの答案を比較してみようと思う。まあ外れたところでどうってこともないし、むしろ当たれば後々になって「ええ相場観してるな、君!」と思ってもらえるだろうし。まあ精読まではしないので、ざっくりいきます、ざっくり。

 さて、記念すべき1回目は、氏名黙秘さん。5chでも上位での合格が確実視されている方です。予備経由?ということで、実力も申し分ないでしょう。再現も5月には書き終えており、再現度も信頼性あり。そんな方を俺なんかが偉そうに評価するのもおこがましいが、、、そこは許してくださいな、と。

 やり方としては自分の答案の答案との「比較」でいきます。そのほうがわかりやすいだろうし。あまり細かく書くつもりはない。なお、選択科目は知財しかわからないのでそれ意外に関してはノータッチ。



【憲法】
 立法措置①についての21条違反や、明確性原則あたりは同じような筋。ただ、前者は俺より評価が丁寧な一方、後者は俺のが丁寧かな、と。もっとも、文面審査のほうが配点は低いような気もするため、や合わせて考えると、立法措置①について、やや氏名黙秘さんが上でしょう。
 立法措置②について。俺は22条構成と利用者についてさらっと検閲を書き、あとは手続違反を書いたわけだが、一方で氏名黙秘さんは、21条構成を事業者、利用者どちらでも書いており、手続違反もきちんと拾っている。今年は、21条構成が正解筋でしょうから、ここで俺と氏名黙秘さんでは大きく差がつく印象。権利選択のミスがなく、各論点を全般的に拾った答案であり、これだけで上位3割、すなわち、Aがつくのではないか。
 では、上位Aとなるのか。ここは判断が難しい。ご本人も指摘しているが、広く浅くなってしまったとのこと。まあ、措置②で事業者・利用者双方きちんと書くと仕方がないとも思う。このような答案が高く評価されるかはわからない。ただ、憲法の相場観シリーズでも指摘したが、友人の憲法A答案(しかも70点くらいの超上位)を読んだとき、そんなスペシャルな法的評価はなかった。それが妥当するのであれば、「内容の深さ」よりも「題意を捉えたか」、つまり、論点を突けたかどうかで高くもなる。とすれば、氏名黙秘さんの答案も、題意は的確にとらえているため、上位Aとなりうる。いずれにせよ、Aはかたいという印象。

【行政法】
 ご本人もAとのこと。俺の答案と比べると違法性の承継の結論が異なること(俺は手続保障なく承継を肯定)。まあここは結論より中身でしょう。俺はいろんな手続条文を拾ったのだが、説得力として十分かは怪しい。一方、氏名黙秘さんは、「告示したら住民わかるやろ、紛争成熟してるやろ」という指摘で承継を否定。うーん、ごめん、正解筋はちょっとわからん。
 設問2はどうか。俺は所有権確認で争点訴訟を指摘するも、理由付けがダメ。一方、氏名黙秘さんは第三者効にも触れていて、理由はいいが、「直截」の規範や実質的当事者訴訟の指摘。どちらに(訴訟選択か、直截性の理由付けか)高配点があるのかわからないので、ここはトントンということにしておこう。
 設問3はあんま変わらない印象。ただ、教育を受ける権利(憲法26条)とか噛ませてくる感じやるな、と思った。
 まあ総じてAでしょう。俺との優劣は正直わからん。仲良くAってことで。

【民法】
 本人評価はA。設問1は所有権帰属は無難だし、工作物責任もそう。ただ、注文者が引き渡しを受けてない点についての記載はどうでしょう、そこは717条3項の求償があるからなあ、と。俺はそう書いたんだけど。まあいずれにせよ、些末な点なので大差ないか。
 問題は設問2。ここは俺と大きく異なる。俺は、Hの賃貸人たる地位とFの将来債権譲渡をわりかし丁寧に論じ、その処理を対抗要件として論じた。一方、氏名黙秘さんは、前者はかなりあっさりで、後者を将来債権譲渡への期待権の比較考量としてかなり手厚く論じている。試験委員が一番聞きたいのは、まちがいなく後者の処理、それはわかる。ただ、これは試験であって、どこに配点があるのかを考える必要がある。そうすると、仮に前者の処理にもしっかり点があるのであれば、氏名黙秘さんはかなり薄いので点数が取れない。一方、後者に点数がほとんど点数入ってるのであれば、氏名黙秘さんにたくさん点が入る。うーん、個人的には、なんだかんだで旧来の論点と呼ばれるところに点数あるのではと思ってるので、全体としての中身は薄いが、点数の高さのみに注目すれば、俺に軍配があがるのでは、と考えている(というかそうでないと俺が困る)。
 設問3は錯誤論。氏名黙秘さんは契約の一体性も論じているので確かに配点はありそう。そして、錯誤論の論じ方として動機の錯誤を俺は「錯誤」として論じているのに対し、氏名黙秘さんは、「要素」で論じている。ここは5chでも議論があったところ。手元にある佐久間とか内田民法読むと、なんか「要素」っぽいな…。ミスった。これが些末な論点なのかどうか(そうであってくれ)。
 俺は重過失を肯定し、相手方の重過失・共通錯誤まで検討氏名黙秘さんは重過失それ自体を否定。まあ、ここは価値判断なのでね。
 まあ、総じてみると俺も氏名黙秘さんも、どの設問も明後日の議論はしておらず、大まかな題意には沿っているかと思ってるので、Aなのでは。上位Aかはちょっとわからないな。

【会社法】
 本人評価はA〜B、500位以下とのこと。いやー、これはぶっちぎりAでしょう。
 設問1はよくわからんのでスルー。
 設問2は俺と同じで事例で考える会社法第14問を参考にしてるっぽいが俺とここまで差がつくとは。
 仮処分の申立て、247条類推適用、278条2項を引きながらの平等原則違反、そしてその規範も丁寧で、当てはめもばっちり。不公正発行のみ、主要目的ルールでいったみたいですが、メインは平等原則でしょうしね、素晴らしいの一言。文句つけられん。
 設問3も題意を捉えていて、俺みたいに安易に経営判断原則に流してないし。
 まあ、設問1が蓋開けないとなんとも言い難いけど、上位A間違いなしでしょうね。俺もギリA入りたい!!

 おい、Aばっかじゃねえか。

【民事訴訟法】
 本人予想は、上位ではないがA圏内とのこと。
 設問1は、まず、専属・付加的合意というのはご存じなかったそう。まあ言葉を知っているかどうかを聞く問題ではなく、中身の問題でしょう。俺は知ってたよ!!(得意気)
 (2)では17条類推適用が拾えていないようで。ただ、当てはめの中身はあるから点数はつくでしょう。俺は類推適用も書いているので、設問1単体ではやや俺に軍配あるかと。
 設問2は完璧でしょう。俺は請求原因間違えてるし、追加請求を「因果関係」じゃなくて「損害」にしちゃってるからね。まあ、間接→主要の流れだけはあってそうで良かったけども。
 設問3はまず俺がやらかしてる。氏名黙秘さんは、自己利用文書の3要件あげて書いてるし特記事項なし。
 俺みたいな受験者でも設問1の問題意識を知ってたことを考えると、本人指摘のとおり、確かに、上位Aではなくなるかも。でも、設問2と3できちんと点を重ねてるし、ギリギリAに入ってくるんじゃないかな、と。俺は上で書いたようなミスがあるので2段階落ちのCかと。

【刑法】
本人予想は、D〜E。大戦犯科目とうたっています。詐欺ルート、俺と同じですねえ(にっこり)。
 設問1については、俺は処分行為を否定して、2項詐欺に流すというまた独特な理論(なぜ窃盗に流さなかったのか・・・)。一方、処分行為を肯定した氏名黙秘さん。お互いにいい筋ではないですからね、そろって沈みましょう。
 設問2はまあまあ無難な処理、おんなじような感じかな。
 設問3で誤想防衛落としたあたりも俺と同じ。笑
 それでも設問2での踏ん張りや三段論法等考えると、俺と同じくDあたりになるんじゃないかなーと思います。ここまでAばっかの人が一科目やらかしてFまで落ちるとは考えにくいしね。

【刑事訴訟法】
良くてA、悪くてBとのこと。
 俺は、別件逮捕の学説がわかりません。というわけであまり評価できない。でもまあ、逮捕・勾留・勾留延長(俺は勾留延長落とした)の要件を淡々と検討し、本件基準説で違法認定を行い、後段で別件基準を使うという技で矛盾なく書かれています。これで悪い評価になるとも思えません。
 訴因も可否を最低限拾い、公判前うんぬんのくだりを抽象論、当てはめともにかなり丁寧に認定されており、120分でこれ以上はないって感じ。条文ちゃんと引いてるし。
 というわけで、Aかたいでしょう。なんか俺、Bとか書いたけどDくらいな気がしてきた・・・。


以上をまとめると(憲法・行政法・民法・会社法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の順)

氏名黙秘さんご本人による成績予想  C A A A A D A (短答145点)
黙示録による氏名黙秘さんの成績予想 A A A A A D A

*参考までに黙示録自身の成績予想  D A A A C D B (短答129点)


はい、ぶっちぎり合格。300番くらいかなあ、Aの判断が難しいからなんとも言えんが。うらやま。短答の点数交換してほしいわ。刑法が残念だけど、ここまで揃えられるのは素晴らしいね。このうち、会社法・刑訴あたりは上位Aなんじゃないかなーと。ワンチャン俺が点数で勝てるとしたら、行政法か民法。相手が猛者とはいえ、1勝くらいしたい!!

あ、ただの個人的な意見だからね、間違ってても責任取りません。

サボり気味のブログだけども、思い立ったので。

テーマは相場観。これって、「実際に採点された経験のある人」または「再現性の高い答案とその成績をチェックした人」にしかなかなかわからないよね。俺は、とりあえずは2回採点された経験があるわけで(これ以上増えたくはないがな)。他にも、友達の再現見せてもらったりもしてた。この時期、みんな不安を抱えてるだろうから、安定剤になるかはわからなけいけど、実際にこう書いたらこうだったって体験談を綴ることにする。

評価の前提知識さらっと書いてくけど、知ってる人は読み飛ばしてOK。
A 〜1000位
B 〜1500位
C 〜2000位
D 〜2500位
E 〜3000位
F 3001位〜  というのが例年どおり。

ただ、これが今年もそうとは限らん。例年そうなだけってのは一応、注意。今年の短答通過者は3300人とかだよね、確か。だからFは一番少ないわけで。むしろ上30%はAってことにもなるから、昔と今とではAの価値は同じではないよね。。。オールCで合格っていうのも聞いたことあるが、現在の受験者数では妥当しないと思われる。

というわけで、予備のそれとは全然違うからね、予備勢の相場観はここでズレが出てしまう。それでも予備組は高い合格率もデータとしてあるわけだし、やっぱり自信は持ってていいと思うよ。

さて、具体的な話に。とりあえず選択(知財)だけ書いて、あとは別記事で書こうかな、長くなるかもしれないし。長いの読むの嫌いでしょ、みんな。

なお、選択科目はAとかBとか書いていないので、点数からだいたい「◯相当」みたいな感じになる。

【1回目】・・・57点(小数点以下切り下げ)(A相当)
 詳しくは問題見てほしいけど、いわゆる大きな論点は、特許に関しては拾いきれた(先使用権とかね)。まあ比較的書いてほしいことはわかりやすくはあったしね。当てはめは無難にって感じで、ホームラン答案ではない。ミスってほどのものはなかった。それに、間接侵害の設問が島並先生の基本書のコラムかなんかの問題意識まんまでさ、これ知ってるぞ!!って気持ちで書けたのはでかい。←オススメ
 ただ、著作権法では、設問4の請求の根拠条文が書けなかった。つまり、請求からミスった。まあ若干マイナーなやつだったってのはあるけど。ほぼ0点と見ていい。書けりゃ60点くらいまでいった可能性はある。
 一回目だったしどのくらい点数もらえるかはわからなかったけど、真ん中よりは上だろうなとは思ってた。蓋開けたら確か知財選択者526人のうち、81位。ただ、母数は短答通過してない人も含んでるっぽいから採点されたのはもう少し少ないと思う。短答で3割減るって考えたらだいたい350人前後か。それでも上位30%には入ってるし、「二桁順位いったぜ!いえーい」っていう気持ちになったのは覚えてる。
【2回目】・・・46点(同じく切り下げ)(D〜C相当)
 特許法でね、お亡くなりになられたんですよね。設問4つあるうち、ちゃんと書けたのは設問1だけ。あとはもう作文レベル。趣旨からも普通に外れてたし、行訴法も引けてない。終わったーって試験中に思った。F答案やなあって感じ。まあ、みんな驚いたであろう問題だったから、できた人は多くはないだろうと思ったけども。
 それでも、著作権法で少し盛り返せていたのかはわからない。一部自信のある設問も一つはあったかな、でもこれまた最後の設問で抗弁として何を書くべきかわからず、なんか適当なこと書いたのだけ覚えてる。結局何だったのか、趣旨覚えてねえ。
 2回目ということもあって、思ってたとおりくらいの点数ではあった。50いくことはないだろうなあ、でも、あの特許の難しさはみんな一緒だから総合でFレベルまでは落ちないだろうなあ、みたいな感じ。

【3回目】・・・予想50〜60点←ちょっと勝負に出た
 2回目のような特許での爆死はない。かといって1回目のようにミスなくできたかと言われると、再度の警告の論点あたりが不確実だし、最後の設問も辰巳のちょろっとした解説見るとなんか違う。。。上手くハマればいいけど、そこに自信はない。
 著作権法は、無難には処理できてると思う。そうすると、総合で50はかたい。あとはどこまで伸びるか。1回目の57まで上がるのかどうか。希望的観測では、特許でも思ったよりちゃんと題意に沿っていて、60点!みたいな感じだが・・・そうは甘くないのだろう。でもほしいなー60点。
 論文の点数って素点の1.75倍じゃない?ってことはさ、40点→70点に対し、60点→105点になる。20点の差が35点分になるわけだからね、これだけでかなり大きい。俺なんか1回目から2回目で20点分下がってるんだもんなあ。まあ、選択科目で点を取ることの重要性については別記事であげるとしよう。

 選択科目は各科目間の調整?をするらしくそのあたりの細かい計算は知らん。知らんが、経験上言えることは、
 ・特許でミスなく論点拾って著作で設問1つあさっての答案で57点が取れた
 ・特許で設問3つあさって、著作で設問1つ△レベルで46点(ただし特許はマイナー分野)

という事実を伝えておきます。知財選択者の再現は見たことないのでそっちには今回は触れません。

発表まで3週間切ったぞ、おい・・・

【設問1】
別件逮捕はまあいい。が、なんか刑法パクったろの精神で謎の(2)が。しかも、伝聞じゃねえのかい。

 別件逮捕の問題といえば、想起されるのは平成23年の問題。過去問はLIVE本準拠で演習していたから、別件についての逮捕→勾留→余罪取り調べっていう流れで準備していました。そして、そのままの流れで書くことに。
 逮捕の理由んとこ、「…相当程度の蓋然性」っていう定義を、「…明白性」にしてしまった。ミス。そして、必要性で規則引いたけど、ここで逃亡のおそれ認定もしたから、勾留要件書くことなくなるという。87条1項だけ引いたけども。
 で、余罪取り調べ。考慮要素明確に暗記してはなかったから、まあある種のでっちあげ。普段は、考慮要素って、当てはめんとこで合わせて書くようにして前出しはしないんだけど、一応書いておいた。自分の整理のためでもあるけど。
 本番でどこまで丁寧に事実引いて評価したかはどうでしょうね。それなりには書いているはずだけども。とりあえず思ったのは、「本件(強盗致死)のほうが取調べ時間長いけど、別件の空き時間にやってたっぽい感じだし(というか別件は他の証拠固め初めてるし、自白取りに行かんでもとりあえずええやろみたいなイメージ)、セーフ!! 後半で違法にするってのも決めてたから適法にしなきゃいけないってのもあったけども。

 んで、(2)。まあ、ここはTwitterでも5chでもいろいろ言われているところでしょうが、僕なりに現場で思ったことを。
 まず、設問の指示を分節すると、
①「1とは異なる結論」
②「を導く理論構成」
③「具体的事実を摘示」
④「これを採用しない理由についても言及」 となる。

まず、①。シンプルなのは適法→違法、違法→適法でしょう。もっとも、逮捕・勾留・身体拘束と3つに区別できるし、部分的に結論を変えるというのも「異なる結論」には当たるだろうからこれもアリだよね、きっと。
で、②。事実の評価で対立させればよいみたいな指摘が一部あったけど、事実の評価って「理論構成」とは違うんじゃないかなーと思ったり。事実の摘示は、③であって、やっぱり素直に考えると「理論構成」≒法律構成と読み替えるんじゃないかなー。個人的な見解です。
③、まあこれは要するに、抽象論で終わらすなということでしょう。
④もまあ書いてりゃいい。

 次の問題は、1と2のバランス。つまり、1も2も同じ分量が求められているのか、1をメインで2は少なめか。私は、後者だと思っている。というのも、採用しない理由まで求められていること。あえて採用しない内容でゴリゴリ書くことを求められているとは思わん。

 最後に、どの説を書けばいいのか。知らん。実態喪失説なんて知らんわ。まず、基本書として使ってたリークエには①〜⑤として5つの説が紹介されているが、「実態喪失説」という言葉そのものがない(1版だけど2版なら書いてあるのか???)。そして、③〜⑤の説はサラッと流し読んだだけ。
 平成23年出題趣旨。こっちも「別件基準説と本件基準説を中心に多様な考えた方があるところであり…」とされてるだけ。
 果たしてそこまで求められていたのか、どうなんでしょうねえ。ちなみに私は、別件は余罪取り調べの問題として適法→後段は、本件基準により違法としています。実は、上に書いた「1をメインで2は少なめに」というのと上手くハマってると思ってるんだよねー。前段はゴリゴリ当てはめ、後段はPが他に罪ねえかなって社長説得してたあたり使って目的認定、みたいな。まあ刑訴得意でもないし深いことはまったくわからんのでここはもうしゃあなし。

【設問2】
 要否は・・・いらんよな?すべきと思ったからこそ検察官は訴因変更しようとしてるわけだし。第一、そんな書く時間ねえ。というわけで書いてません。
 可否はまあ。最低限のことは書いたつもり。でも、「可否の書き方はこれで大丈夫」と誰かのお墨付きをもらったわけでもないので実際は不明。
 んで、公判前うんぬん。後でノートみたら百選あったね、全く思い出せんかった。とりあえずここらへんはでっち上げ規範使って、社長が急に言い出したんやからしゃあないやろって感じで書いてます。まあ案の定書きなぐりだけどみんなそうだよね、ここらあたりは。

 というわけで、結局設問1の正解筋は不明なわけだけども。一応の水準は、、よーわかりません。ひとつ言えるとしたら、例年は、刑訴については理論部分、いわゆる「論点」は書いて当たり前で、むしろ評価が勝負(民法とかわりと法律構成気がつけば勝ちみたいなとこあったし)。でも、今年は理論面も謎になった結果、そこでも差がつく可能性が出た、と。言い換えれば、評価得意マン=必ずしもAとは言い切れないし、評価不得意マンでも多少は点数が上がる可能性がある、みたいな感じかな。もっとも、それでも具体的事実とその評価が最重要なのはいわずもがなですが。

 成績評価は、うーん。真ん中くらいかなあ、得意でもないし。というわけで、主観的評価は・・・C!
やっと書き終わったあああああ。

設問1
1.下線部①の逮捕、勾留、引き続く身体拘束の適法性について
 甲を業務上横領の被疑事実で逮捕等した行為は、いわゆる別件逮捕に当たると考えられるところ、その適法性については、余罪取調べの限界として考えれば足りるから、別件自体がそれぞれ要件を満たす限りは適法である。
(1)通常逮捕
ア 「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(199条1項)
 特定犯罪と犯人性が明白な場合をいう。
 Pは、甲の勤務していたX社社長から甲が過去に3万円を横領した旨の供述を受け、その被害届も出されている。そして、甲に3万円を渡したとのAの供述調書や、その記載のなる帳簿類がなかったとの捜査報告書もある。このような事実関係からすれば、業務上横領事件という特定犯罪及び、その犯人が甲であることの明白性が認められるから、標記要件を満たす。
イ 「逮捕の必要性」(199条2項)
 逃亡のおそれ又は罪証隠滅のおそれある場合をいう(規則143条の3)。
 甲は、単身生活し、無職でもあり、預金残高も1万円と少額で、不安定な地位にある。そして、法定刑が最長10年であることも考慮すると、甲が、起訴をおそれて逃亡するおそれがあったといえる。ゆえに、必要性も認められる。
ウ そして、上記の要件のもと、発布された逮捕状により逮捕しているから、適法な逮捕である。
(2)勾留(60条)
ア 「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(60条1項柱書)
 上記(1)で述べたとおり、認められる。
イ 「逃亡すると疑うに足りる相当な理由」(同条1項3号)
 上記(1)で述べたとおり、甲に逃亡のおそれが認められる。
ウ 「必要がないとき」でないこと(87条反対解釈)
 特にこれを否定すべき事情もない。以上によれば、勾留も適法である。
(3)余罪取り調べの適法性(=身体拘束の適法性)
 余罪取り調べについての明文の規定はない。しかし、仮にこれを無制限に可能とすることは、令状主義(憲法33条)の精神を没却しかねない。一方でこれを禁止する規定もなく、現実にこれを行うべき必要性ある場合も否定できない。以上からすれば、各犯罪の罪質や、それぞれの証拠の獲得状況、捜査の重点の置き方や時間、捜査官の主観的意図等を考慮し、令状主義の潜脱と認められる場合に限り、違法となると考える。
ア まず、本件は強盗致死傷事件であり、別件は業務上横領事件である。前者は、身体犯であるとともに死亡結果まで起きており、死刑まで法定されている(刑法240条)。一方で後者は、被害額も少ないのもであり、本件のほうがそのより重い事件であるといえる。
イ 証拠の点について。別件について、まず甲は否認している。もっとも、返済を迫っていたYとの待ち合わせの事実が判明し、Yから甲が臨時収入があったから金を返すと発言した旨の供述調書を得ている。また、防犯カメラ映像についても、H店には甲が確認できず、また、I点については画像確認に時間がかかっていた。一方で、A宛の領収書データが甲のパソコンから発見されるに至ってもいる。
 一方、本件についても、一貫して甲は否認していたが、3月15、2ヶ月分の家賃が振り込まれたとの大家の供述調書を端として、甲が原付自転車を売却したことも明らかとなり、ついには入金状況等への追求を契機として、自白するに至っている。以上からすれば、別件の証拠収集活動を主に行っていたといえる。
ウ 捜査の重点や時間について。別件については計20時間、本件については倍の計40時間の取り調べが行われている点で本件に重点を置いているようにも思える。もっとも、Yの都合上、Yの取り調べは16日までなしえず、防犯カメラ映像についても修理中であり、その確認はやむを得ない事由により遅れている。その間、別件については取り調べ以外の手法により、裏付け捜査やパソコンデータ精査等による証拠収集活動を行っていたのであり、その時間を利用して、甲の本件についての取り調べを行っていたと認められる。よって、必ずしも本件に重きがあったとはいえない。
エ 捜査官の主観について。別件逮捕の際、本件の逮捕も視野に入れて、捜査は並行して行われており、本件について逮捕するに足りる証拠の獲得をも目的としていたと認められる。
オ 以上を総合すると、本件についての取り調べ時間が多い点は否定できないが、これは別件をメインとして行われたものであり、別件について他の証拠収集をし、取り調べが不要な時間に本件の取り調べをしたと認められる。よって、令状主義の潜脱とまではいえず、適法な取り調べであったといえる。よって、身体拘束も適法である。
2.異なる理論構成について
(1)構成
 上記に対し、本件基準説があり、本件を目的とする捜査手法に当たる場合には、違法である。
 Pは、本件についての証拠が不十分であることから、別の罪の嫌疑がないかと考え、X社社長か別件についての情報を得ている。そして、X社社長が被害額が少額であることや世間体から被害届を出すことを渋ったにもかかわらず、繰り返し説得を続けてこれを得ている。このようなPの手法は、本件について捜査を進めるために、別件で甲を引っ張ろうとの目的であるといえる。従って、かかる手法は違法であり、これに基づく逮捕、及び、勾留、引き続いて行われた身体拘束も違法となる。
(2)採用しない理由
 このような考えは、捜査官の主観を考慮するものであるが、令状審査の段階において、裁判官が捜査官の隠れた意図を見抜くことは事実上困難である。また、同時に2つの被疑事実について捜査すべき必要ある場合も否定できない。加えて、並行して捜査を行うほうが被疑者にも便宜的な場合もあり、これを認めないとすると、かえって不当に身体拘束期間が長くなるおそれもある。以上の理由から、このような理論構成は採用できない。

設問2
 下線部②の訴因変更の請求を、裁判所は許可すべきか。
1.訴因変更の可否
ア 訴因とは、検察官が主張する特定の構成要件に該当する具体的な事実をいう。そして、訴因変更は、「公訴事実に同一性」(312条1項)ある場合に認められるところ、その趣旨は、被告人の処罰理由の渉猟的探索の禁止にある。従って、その意義は、基本的事実関係が社会通念上同一である場合をいい、両者の共通性の有無により判断される。そして、重なり合いが少ない場合には、非両立の観点も加味される。
イ 公訴事実(以下、それぞれ単に1、2とする)1も2も、日付は同じ平成30年11月20日である。そして、場所は、A方付近から、A方とされているがいずれも同一性の範囲内といえる。また、いずれも財産犯かつ領得罪であり、3万円の被害額も同じであるから行為態様にも共通する面がある。
 加えて、1の業務上横領罪は、甲の処分権限ある場合に成立し、そうでなければ2の詐欺罪が成立することになる関係にあり、非両立の関係といえる。
 以上によれば、公訴事実の同一性が認められるから、訴因変更は可能である。
2.公判前整理手続きを経ている点について
 公訴事実に同一性あるとしても、本件では、公判前整理手続きを経ているとの事情がある。かかる場合にも、無制限に許されるとすると、手続を経たことが無意味になってしまうのではないか。
 公判前整理手続きの趣旨は、裁判の迅速性を確保する点にある。一方で、公判廷において初めて明らかとなる事実がある場合も否定できない。従って、そのような事実の出たことが、必要やむを得ないと認められる場合には、訴因変更を許可すべきである。
 公判前においては、甲に処分権限あることが前提とされ、弁護人からも主張はなかった。そして、公判において初めてX社社長が、甲に処分権限なかったことを述べており、Aもその事実は知らなかった。甲自身はその認識あったようだが、X社社長が突然公判で上記のような発言をすることは、記憶違い等無理からぬところである。従って、必要やむを得ないと認められる。
 以上により、標記の訴因変更請求を裁判所は許可すべきである。

【設問1】
 やってしまった、設問1。そうだよなあ、窃盗に流すよねえ、フツー。
なんていうんだろ、直感的になんとかして詐欺罪で立件したいって思っちゃったんだよね。でも、ダミー封筒のすり替えのせいで詐欺罪は無理と思った。だから、その一個前の段階で、つまり、暗証番号書かせた紙を一度受け取った時点で無理やり2項詐欺で書いてしまった。。。
 自分でも「それは無理があるだろ」って書きながら思ってたしなあ。というか正確にいうと、問題文の事実を読み違えてて、処分行為書いてる段階で気がついだんだよね。その時点でちゃんと窃盗に流せばよかったんだけど、、、まあ、今となってはどうしようもない。
 ここは詐欺否定からの窃盗が正解筋でしょうねえ。民事系が例年よりできたなあって手応えがあっただけに、ここでくじかれましたね、はい。評価はかなり厳しいものになると思う。

【設問2】
 事後強盗罪の法的性質は短答でも出るし、去年みたく異なる立場問題出るならここはクサイなと思ってたから、そういう意味で当たったな、ってのが正直な感想。ただ、論文として書いたことはなかっただけにどう書いたらいいかがわからなかった。用意していたとは言っても、身分犯構成なら真正身分犯で①の立場に寄ることになるし、結合犯構成なら承継的共犯ルートで否定すれば②の立場に寄るってくらいのもんだけども。
 いつもなら、実行正犯から書いて(今回の甲)、あとは共謀の2要件ないし3要件で処理するんだけど、法的性質論はどこで論じたらいいのかもわからない。しかも、脅迫をしたのは甲じゃなくて乙だから、甲の罪責検討で乙の話を出さざるを得ない。
 そして、そもそも法的性質論で戦わせるだけでいいのかっていう問題もあった。
 いろいろ考えた結果、とにかく対立軸を作って検討しようと考えた。これを②の立場から批判して、私見で答えればよい、と。
 ①の立場では、まずはやはり甲から。「窃盗」、「脅迫」(ここで現場共謀を認定)、「逮捕免脱目的」検討して238条認めてから、乙について身分犯処理。
 ②からは対立軸としてア共犯の錯誤(万引きと勘違い)、イ窃盗の機会性(いらなかったかも)、ウ「窃盗が」の法的性質(結合犯処理)を端的に指摘。
 私見では、②に答える形を採りつつ、全て②の反論を否定。去年は私見書かなかったので特に注意しました。
 問題文では、私見でいわば第3の立場に取ることも否定はされていない。となると、
A身分犯からの真正身分犯→事後強盗罪の共同正犯
B身分犯からの不真正身分犯(事後強盗を加減的身分とみるのは厳しいか)
C結合犯からの承継的共犯肯定→事後強盗罪の共同正犯
D結合犯からの承継的共犯(本件での適用の否定=いわゆる中間説?)否定→脅迫罪の共同正犯
E結合犯からの承継的共犯(一般論として否定)否定パターン→脅迫罪の共同正犯
私が知っている限り一応これだけあるってことになるのかな。間違ってたらごめんね(まだ受かってないからごめんで済むと思ってる)。

【設問3】
またしても謎問題。「各々の説明の難点」というからには、複数あげることが求められるんでしょう。

ええ、方法の錯誤、すっ飛ばしてしまった。というか、よく考えたら、いつもなら逐一一言触れるべき故意を全体的に飛ばしていることに気づく。これもけっこう痛い。

とりあえず正当行為→被害者の承諾→正当防衛→緊急避難と順々にやったわけだけど、前半無駄に書いたせいで肝心の責任故意のところほとんど何も書けず。試験委員が嫌いな広く浅い答案になってしまった。。。

というわけで、設問1死亡、設問2書き方不明、設問3錯誤と責任故意書けずというどうしようもない答案になってしまった。1回目も2回目も刑法はBで、今年は俄然Aを取りに来たんだけどねえ。Fかなあ、やっぱり。せめてE〜Dでとどまってくれないかなあ、と淡い期待を抱きたいところではあるけどやっぱ厳しいよなあ。
3つすべてできた→A
3つすべてできない→F と仮定すると、
2つできた→C〜B
1つできた→E〜D みたいな理屈でさ、設問2が一応は書けたとしてE〜Dこないかねえ。

主観的評価予想は、Eとしておきます。

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