司法試験黙示録 @gouyokunakaze

3回目受験生。再現答案とか適当に書いてる。ツイッター→@gouyokunakaze

2019年08月

よくもないが、悪くもない。それが、俺の1回目・2回目の刑法。ただ、共通することもある。

1.大まかな論点を外さないこと ←当たり前っちゃ当たり前
2.構成要件該当性を丁寧に。特に定義は大事。←暗記から逃げるな
3.難問にも抽象論ではなく事実で勝負すること ←意外とやる人多いらしい
4.ある程度の常識で考えること ←通称”刑法知らないおじさん”になろう



上位に食い込むには、より精緻な分析、法的評価をすることなんでしょう。俺にはできん。が、とりあえず上の1・2を守りさえすれば、Bはくる。なぜなら、俺が1・2回目ともにこれを守ってB評価だったから。

1は、まあ当たり前。これはもう論点発見能力の養成、つまり、演習に限る。つべこべ言わずに黙って事例演習やっとけって感じ。
2は超重要。まあ罪刑法定主義からの帰結って感じ(←今、思いついた)。いつでもスラスラいえるように風呂でペラペラ喋ってりゃいい。書いて覚える派は頑張って書け、俺は手疲れるからイヤ。
3は中途半端な知識バカ?みたいな人が陥る。抽象論ばっか書いてんじゃねえぞ。そこに点数ほぼないぞ。
4もけっこう大切。いきなり構成要件一つずつってか、こいつは有罪にしてやりてえっていう一般人の感覚は大事。結論ありきっぽくなるけども。自分の中の鬼検察官と天使弁護士を戦わせてみりゃいい。その対立軸が結局のところ論点なんだけどね。さて、以下、過去の成績について。

【1回目】
 平成29年の司法試験は、論点が多岐にわたり、全体的に一種の作業ゲーに近い問題。ここ2年とは異なるが、素材としてはいい問題かと。
 大まかにいえば、クレカ詐欺だったり横領と背任の区別、他に正当防衛なんかもあって。あんまりいうともったいないからこれくらいにしておくけど、とにかく書くべきことが多い。俺は比較的大まかな論点は拾っていた。ミスといえば、あれだ、死者の占有の論点のとこ。これって、死者になお占有があるのか、窃盗と占有離脱物横領罪の区別だってことはみんな知ってるしおれもそうだった。でも、ちゃんと起案でやったことなかったからかな、どの構成要件で書くかをミスった。このブログの読者層の実力はわからないが、俺は「死者の占有」っていうくらいだし「占有の有無」、つまり、「窃取」の定義に当たるかだろうなあって考えてた。が、違ったらしい。あとで確認したら「故意」の要件で問題になるんだね、これって。そんなん当たり前やろ、と思ったあなた。素晴らしい。俺と同じ考えだった人、これでもうミスらないよな!そういえば黙示録のブログで…って思い出せばいいだけ、はい、簡単。

 とまあ、そんなミスもしてたわけだけど、とにかく定義を意識した。
 「人を欺いて」(246条1項)とは、・・・
 「偽造」とは、・・・
 「窃取」とは、・・・

 こういうのは極力丁寧に書いた。今読みながらさ、この3つの定義言える?理想はいつでも言えること。妥協するなら、起案する前に暗記できればよい。なんなら刑法は中日(=なかび)あるしね。俺は、法的評価は薄かったけど、この意識でBにとどまったと思う。同期で残念ながら落ちた人も、
 
 「刑法はBだった。定義はとにかく書いた。

 なーんて言ってたからそうなんだろう。これは、近年の学説対立問題であっても、同じでしょう。暗記苦手といって逃げないように。

【2回目】
 ご存知、形式が変わって焦った平成30年。でも、名誉毀損は模試でもやったし、俺、刑法各論の単位落として再履でさ、名誉毀損とか業務妨害とか財産犯以外の各論もめちゃくちゃやって定義覚えてたからね、それでなんとかなった。
 設問2なんて私見すら書いてない、設問3は不能犯の議論使ってない・・・それでもB。

 いずれの年もBだったわけだが、とにかく大切なことは上の4つ。これで、沈まずには済む。ただ、上位になるには上で書いたような要素が求められるのだろう。


 さて、今年はどうか。詳しくは再現とか感想の記事を見てほしいが、今年はいろいろとやらかしている。以下、やらかしポイントについて。

①設問1で2項詐欺処理。
②設問3で誤想防衛書かず。
③設問全体を通して故意の認定がない(1行くらい書いたかもしれないが多分混乱して落としてる)

上の要素に照らし合わせてみると、大まかな論点という点で、詐欺と窃盗の区別の論述が浅い。ほんといわかっているのか?と言われても仕方ない感じ。誤想防衛外したのもそう。

 構成要件については、故意落としてる点でまずい。

 設問2の事後強盗と脅迫の区別はある程度抽象論も仕方ない。基本的には事実勝負したからここはOK。

 常識。設問1は世間一般の常識だとどうなんだろうか。”特殊詐欺”と言われる点では詐欺っぽいが、刑法的には窃盗であるっていう感じなのかなあ。予備校解説ではいろいろあるみたいだが、正規ルート(=試験委員が想定する正解筋)は窃盗だろうと思う。出題趣旨で、先に書かれているほうが正規ルートと個人的には考えているが、おそらく窃盗であると予想。これは出題趣旨を待ちたい。

 そうすると、詐欺もダメではない。ダメではないが、いい評価はもらい難いのでは、と。よっぽど説得的じゃないとね。俺のはそうじゃない。とすると、ここで差をつけられるのは必至か。

 さて、評価はどうか。5chを見ると、B評価という指摘もあった。一方で、爆死という書き込みもある。あまり俺の刑法に触れられてないから、判断は難しいが、自身の手応え的には、Aはもちろん、B取れた感覚もない。かといって、FやEの母数自体が少ない今年、設問2でかろうじて耐え、三段論法を守ったことを併せれば、Dで踏ん張れると思う。あるいは、設問1の詐欺ルートでそこそこ点数が入ればCもありうる、こんなところ。というか、不安な刑法でB以上きたら総合で合格圏内に一気に入ってくるだろう。そういう意味では、B評価って言ってくれた方の相場観に全ツッパしたいところ。

 来年以降どうなるか。とにかく構成要件とその定義の暗記。これを大切に。

あと、10日だよ・・・ふええええ。
  

さて、民訴だけども苦手な人は多いよね。俺はね、ロースクール入ってから学んだよ、民訴。弁論主義も既判力も知らんかった。そんな人がロースクール既習コースに入り、1回目、2回目でどんな成績を取ったかについて。

【1回目】
 D評価。民法F、会社法Eに民訴Dと、民事系のレベルの低さが露呈した結果に。それでもなぜか民訴が一番マシというね。まあ、以下、ざっくり。

 設問1はおなじみ、弁論主義の第1テーゼ違反の有無。確か代理の要件事実だったかなあ。勉強した今では主要事実とわかるんだけども、当時は主要事実と間接事実の振り分けが今以上にわからなくてね、百選の特殊事情もわかってなかったから、「確か間接事実にすればいいんだな」って気持ちで当てはめも超絶薄い感じで間接事実構成にした覚えある。恐ろしいのは、試験後これで書けたと思ってたところなんだけどね。できないマンあるある。

 設問2はあれか、引換給付判決と処分権主義違反の有無。まあ典型論点ではあるけれど、そこまでの道筋がけっこう細かい。訴訟物論の立場の明示や訴えの変更の要否、権利抗弁であることと弁論主義違反の有無等、隠れた論点もけっこうたくさんあって。俺は訴えの変更は書けかなかったな。全体的にはそこまで大きなミスしたとは思えなかったけど、実際点数は伸びなかった。

 設問3は既判力の範囲だっけ。引換給付の文言に生じるかってやつ。つい、限定承認の判例で書いて既判力生じるにしてしまった。。。正解ルートは生じないからの信義則っぽいね。後でノートみたらちゃんと書いてあったのに。もったいねえ。インプット大事よ、ノートまとめて満足すなよ。

 実は、もう少し評価いいと思ってた。実際低かったのはなぜか。考えた結果、この年は論点自体はど真ん中のものが多く、論証の正確性とか、具体的事実にどこまで踏み込めるかで勝負がわかれたんだと思う。特に後者かな。俺は全体的に当てはめ評価が薄かった自覚はある。論点発見それ自体が容易だと、当てはめで勝負が決まるという典型。もしくは法律論わかってないからってやつかなあ(主要・間接の取り違え、既判力の範囲について独自の理論等)。


【2回目】
 B評価。ワンチャンAかと期待してたけどね笑
 設問1は二重起訴。今思えば、きちんと反訴の要件検討とかしてない点で甘かったかも。というか(2)で書いてほしかったらしいことを(1)で書いちゃったりしてたな。ダメじゃないけど・・・って感じ。
 (2)は管轄書いてた人が多かったみたいね。俺は移送で処理したけど、出題趣旨には書いてなかった。あれは出題の仕方が悪かったと思う。誘導がミスリードって感じ。

 設問2はぶんてい。俺は職業秘密と利益文書両方書いた、怖かったから。その結果、当てはめが薄くなったのは悔やまれる。

 設問3は補助参加。まあ典型論点。あとなんかよーわからんのがあったけど忘れた。

 Bが取れただけマシと考えるか、Aが取れなかったことを猛省すべきか。後者かなあ。やっぱり1科目でもAを取るってことはとても大切だし。1年目よりマシとはいっても2回目というアドバンテージがあるからねえ、ほんとはAが取れなければならなかった。


 さて、3回目の今年はどうか。再現答案・感想の記事でも触れたが、設問1の管轄らへんはまあOKでしょう。設問2は間接→主要の流れこそいいけど、細かい要件事実の分析とかできてないし、ちらほら誤りが多い。期待したほどは点数がこないという可能性もあるのが怖い。
 設問3はクソ誘導のせいで自己利用文書書けてないので、0点、もしくはなんらかの部分点が数点つくくらいでしょう。ここで一気に落ちる。
 そうはいっても、5ch界隈の伊藤塾とかの分析の書き込みなんか見ると、Cあたりでとどまるような気もしている。Bだと嬉しいが。

第5弾は会社法!(商法って書くのはなんか嫌いなタイプです)

【1回目】
 E評価。会社法はねえ、苦手なんす。もうなんか意味不明なことばっか書いてたかも。

 設問1は設立。正直、ちゃんとやってなかった。手薄だったわ。それでも覚えてることをなんとか書いたつもりだったけど、あとあとAの友人に聞いたら(1)で書くべきことを(2)で書いてたみたいな(逆だったかも?)。せっかく事後設立なんかも書いたのに、基本がわかっていないことが露呈した結果、低い評価に。準備していれば十分に得点できる内容だっただけに悔いが残る。

 設問2は取消事由をいろいろと拾いまくる問題。友人と確認した感じだと、拾った瑕疵は同じような感じだった。ただ、なんか試験中に取り消しと無効の書き方を混同してたんだよね。無効ってさ、瑕疵とイコールではないじゃん?だいたいみんな瑕疵が重大かどうかを検討する。これに対し、取消事由は瑕疵とイコールでいいじゃない、せいぜい裁量棄却検討するくらいでさ。なのに俺は、取消事由なのに重大かどうかとか検討してたんだよねえ。。。マジでなんでそんなことしたのか謎すぎる。これで理解不足がバレてさらに低い評価になったのだろう。

 設問3はなんだっけ、忘れた。でもみんなたいしてできてないから差はつかないなんて言われてたな。ちなみに設問3で1行しか書いてない友人はそれでもB評価だったよ笑(設問1・2がよくできていたんだろう)

 というわけで勝負を分けたのは設立。できてりゃ合格、できなきゃ不合格。結局は基本。それだけ。

【2回目】
 C評価。まあ利益供与書いてないに等しいしな。設問1は閲覧請求、ここは事実使って丁寧に書いた。

 設問2で利益供与気がつけず、間接取引構成。「これ、間接取引に当たらんやろなあ・・・」って思いながら無理やり認定する辛さよ。最後に利益供与だ!って気がついて数行書いたけどね、書いてないに等しい。否決決議の訴えの利益も気が付かんかった。

 設問3は例のごとく変な問題、売渡請求?174条とかそのへんのなんか。まあここも差はつかない系のやつ。同条の趣旨は合ってたけどね。

 これでC。まあ利益供与書けたらAでしょうっていう感想。Eから脱出できたのは救い。


 そうすると、ここ2年は、設問1で基本(設立・閲覧帳簿)、設問2で基本+応用(取消事由・利益供与)、設問3発展系の謎問題

 一方、今年は配点も含めて大きくこれが変わった。設問1が手続きの比較とかいう謎問題、設問2がブルドック意識して書いてくれよと言わんばかりの問題で配点もでかい、設問3が重版+任務懈怠というやや応用型。

 設問1は完全にブラックボックス。とにかくやるべきことは、
・両手続きを条文に即して説明しているか。
・本件ではどうかという当てはめ。
・両手続の比較。
・本件ではどうかという当てはめ。


 という4つだと思う。まあみんなわけわかんないしとりあえず条文引いてっただろうし、差が出るのは当てはめの部分と比較の部分なのかな、と。とは言っても、使える事実も多くはないし、謎問題だからね、一部の会社法マニアは突き抜けて(200人いるかとかでしょ)、あとは団子状態で大差ないかと。不安視しても仕方ない問題。

 そしてAになるか、はたまたEになるかはやはり設問2でしょう。配点でかいし。Aをとるための要件は、
・請求根拠としての247条の類推(保全法の指摘があればGOOD←俺はわすれた)
・不利益性の要件
・平等原則違反(278条2項の指摘があればGOOD←俺は書いた)
・2要件による当てはめと評価
・不公正発行該当性←メインは平等原則違反だからサブとして


こんなところかなあ。もちろん、他の設問とのバランスはあるけれど。俺は、当てはめミスってるからね、枠はよくてもめちゃくちゃ高い評価ではないと思う。

 設問3は、前半で重版のやつ、というかTKC模試のやつよね。定款が362条かなんかに反しないかっていう。あれは初見では論点に気が付けないと思う。そこそこミスってる人もいるはず。
 後半は任務懈怠。俺は経営判断に流しちゃったからなあ。題意からはズレちゃってるかと。配点低いのが救いってところ。でも、受験者全体的な出来は案外よくないんじゃないかと思ってる。

 以上、今年の問題にも触れたけど、これまでの採点感覚も考えると、


設問1で上記4要素に沿い、設問2の処理をこなし、設問3で362条違反の可能性を指摘したうえで、任務懈怠該当性を検討すれば、Aかと。これは俺に都合のいい考えと思われるかもしれないが、そうだと思うよ。ただ、当てはめの充実度とかももちろんあるから、Bまで落ちる可能性はなくはない。

一回目で設立書けなかった俺のように、他の受験生から見れば「え?そんなの基本でしょ?」と思えるようなことが書けない層はある程度いる。確かにブルドックは著名な判例で百選にも載ってるし、多くの演習書にも載っているが、

「ん?これなんの問題だ?」層
「あ、ブルドックだ・・・どうやって書くんだっけ」層
「247類推書けない」層←けっこういそう
「109直接適用」層←これはめちゃくちゃ多そう
「不公正発行該当性検討落とし」層←これもいそう
「当てはめ評価不足」層

とまあ、いろんな層があるわけで。だからこれらをミスなく処理するってことは、これだけの層(もちろん重複層もあるだろう)を飛び越えることになる、だから上位3割たるAには入るでしょうね、ということです。おわかりいただけたであろうか。。。

俺はAを取るぞ!!!

知財、憲法、行政法に続き民法いきましょう。

といっても、憲法同様、1回目も2回目も同じ成績評価だった。そして、何を隠そう、どっちもF評価www。笑えん。おまえのせいで落ちたんやで、民法。

とはいえ、点数をみると、実は2回目でけっこう上がってます。そして、優秀な人のアドバイスも大事だが、俺のように民法できないマンだからこそ、言えることもあるだろう。得意な人にはあんまり意味ない記事になるかもしれん。まあ、思いついたまんまに書いてみることにする。

【1回目】
上で述べたとおり、F。まあ、答えは簡単で、設問3つ中3つともに死んでたから。ほんとこれだけ。そりゃFくるわって感じ。

設問1は賃借権の時効取得だったんだが、はい、書いてません。以上。なんか占有権原の抗弁が云々かんぬんと適当なこと書いた記憶。

設問2は転貸該当性と信頼関係破壊。転貸該当性は書いたが、契約の解釈でたいした理由もなく判例とは逆の結論に。あなた、短答やってますか?と言われても仕方ないレベル。

設問3は難問。借借法は書いたけどね、そのあとの議論わけわかめ。未だに知らんわ。

というわけでF妥当でした。そして、この年の民事系総合でなんと94点w3科目でwww笑いどころだけど笑うなよ!そういう受験生マジでいるんだからな!!会社法Eで民訴Dだったこと計算するとマジで10点くらいしかねえwwやっぱ笑っていいよ。

っちゅうわけでマジで設問3つミスったらFることがわかりました。ワンチャンEとかDで収まるって期待したのにねえ。

【2回目】
はい、この年もFです。が、1回目よりはマシ!!!というのも、会社法C、民訴BとそれぞれもE、Dから2段階ずつ上がったのはもちろんだけど、これってせいぜい10点くらいなのよ。一方で民事系総合点は133点。94点から約40点上がったことも考えると、民法だけで30点上がってるという事実!!同じFとはいえ、だいぶ希望的なFなんですっ!!!言い換えれば1回目の民法マジでやばたにえんなんやな、と。

 さて、内容ですが、詳しくは去年の記事を見てくれればわかる。

 設問単位でいうと、設問1は受領遅滞書いてない点で落としてる。設問2は所有権留保の百選知らず。(2)は普通に処理。設問3は相続させる旨の遺言と相続人の排除の問題だけど、そこそこ死亡。これで限りなくEに近いFといったところでした。1年目を即死とすると、2年目はじわじわダメージ食らってやがて死に至る的な。ある意味、拷問か。

 友人の答案も見ました。2回目について。彼、A君は、設問1と設問2についてきちんと処理しきった感じ。当てはめすべき事実は拾いきって、評価は普通、無難な感じ。設問3はけっこうミス。それでA評価だった。設問3は確かに難しかったので、基本問題を処理しきればAだったようだ。
 一方、B君は、俺と同じ受領遅滞書けず。所有権留保も知らなかったようで同じ。ただ、設問3をきちんと処理した。その結果、Cまで持ちこたえた。やはり応用はできたが、基本を2つ落としたのが痛かったのかもしれない。

 近年の民法の傾向。少なくとも平成27年あたりからは、設問1が基本問題という流れ。そして、ここは落とせない。
H27 即時取得の要件検討
H28 利益相反取引←但し、代理権の濫用の構成の仕方で難しくもなる
H29 賃借権の時効取得
H30 債権の特定と危険負担←但し、要件事実で考えるとけっこうむずい

今年の設問1、つまり、請負契約と所有権の帰属・土地工作物責任はやはり落とせない。問題の雰囲気も、「ここはどの基本書にも書いてある超基礎ですからね?できて当たり前ですよ?」感がひしひしと伝わってきた(できたとは言っていない)。

これを落とすと、即Fとは言わないが、50点(B程度?)まで持っていくのは厳しいでしょう。俺の答案はどうだろ、例年みたいに死んではない。が、気になるのは注文者帰属説をごりごり書いたのだが、他の答案はほとんど契約の解釈でいっている点。そこは下手すると怖い・・・。717も”丁寧に”は論じられてないからねえ。でも時間的制約考えたらこんなもんでしょ(っつーかこれが限界byノブナガ)。

設問2は、①賃貸人たる地位の移転の有無の検討、②将来債権譲渡が有効になされたのかの検討を前提に、③その優劣を論じるもの。こういうふうに書くとみんな①②はすんなりできて、③で差がつくって思うだろうけど、俺はそんなことないと思う。まず、①と②でも差はつく。特に、①かな。

なぜか。俺みたいな民法できないマンって、請求はかろうじてわかっても、そこからなんの論点が出てくるかが全然わからんのよね。要件事実で考えろって言われても、わからん。言われてみれば「あーそうね」ってなるけど、浮かんでこない。それが民法できないマン。特に賃貸借系はマジでとんちんかん。

それでも俺は旧司やってなんとか思いつくようになってきた。賃貸人たる地位の移転とかこれでもかってくらい問題あるし。平成29年の賃借権の時効取得も旧司やって初めてこんなに論文でも聞かれるんだ!!って知った。そのおかげもあって本番ではなんとか気がつけた感じ。論点自体は基本だが、気がつけない層は一定数いると思うよ。将来債権譲渡はまだ気がつけるかもだけど。

大事なのは確かに③だけど、差がつくのは①②を丁寧に書けるかどうか、だと思ってる。だからこそ俺は丁寧に認定した。というか応用で点が取れる自信がなかった、という方が正確かもしれない。

設問3は錯誤くらいしか思いつかんかったし、大方がそうでしょう。おそらくポイントは、動機の錯誤における、「表示されたか」と「法律行為の内容となったか」の二段階構造で書けてるかどうかだと思う。短答でよく出てるから、ここの問題意識を聞いてるんじゃないかな。ただ、錯誤以外にもなにかありそうな気もするし、差がつく系の問題ではないのかもしれない。

というわけで、今年の民法は、今ではAがくると考えています。設問3つともに無難な処理ができたから。上位Aではないと思うけど、上位3割という枠には滑り込めるんじゃないかな、と。2連続Fの俺だけど、今年は大躍進!となるのを信じて残り2週間ちょっとを過ごす。

知財、憲法に続き、行政法の相場観について。まずは客観的な事実から。

【1回目】
 A評価でした。ちなみに主観はBか、Aもあるのかなと考えていたので一致していた。初めての受験ではあるが、大きなミスなく無難に処理できたと思ってたからねえ。

 平成29年の行政法は、①非申請型義務付け訴訟の訴訟要件の検討、②裁量、③処分性、④個別事情審査義務と書くべき事項は多い一方で、書くべき内容が何なのかは比較的わかりやすい問題であった。ゆえに、誘導に乗りつつ、とにかくすべて書ききるという一種の作業ゲー的な側面だったといえよう。

 俺は①〜④までとにかく誘導には乗ったし、条文も最低限摘示して、三段論法も意識した。事実も使うべきものは広く拾う意識をもって、評価は十分ではないにしても書ききった。途中答案ではない。これでAがきた。

 ちなみに処分性は道路法の解釈が必要で、難問だった。そもそも誘導文が意味不明すぎ。解釈なんかできなかった。だから、規範あげて、適当に条文だけ押し並べて、適当に処分性あり!って書いた。それでもAはきている。上位Aではないと思うけども。

 この年に感じたのは、「なんや、一回目受験で、不合格にはなったけど、行政法ならA取れるやん」ということ。作業ゲーなら事前準備と上記の意識で十分Aは取れることがわかった。なお、模試は下位6%くらいにされたけどな。

ただ、この年、つまり平成29年の問題は全体として良問だと思うから絶対やったほうがいいよ。これやるだけで、裁量、個別事情審査義務の半分、非申請型義務付け訴訟の訴訟要件+原告適格、処分性学べるからね。ただ、処分性はげきムズだからできなくていい。むしろ処分性は24年と25年が大事。処分性ちゃんとわかってる受験生ってごく少数だろうから、合格者でも怪しいだろう、ちゃんとローの教授とかに見てもらうことをオススメする。

【2回目】
 B評価でした。おいおい、下がっとるやないか。

 平成30年の問題は、①原告適格、②行訴法10条1項、③裁量、④裁量だったかな。

 まず、①は得意分野だった。原告適格は事前の準備で決まるとローの教授も話してたし。俺はいつも小田急事件に沿って書くんだが、この年は、反論を踏まえなきゃいけなかった。そうすると、いつもの書き方が崩れるという問題が。それでも、下手に変えるより、適当に反論いれときゃええやろ精神で従来の書き方でゴリ押した。その結果、X1とX2の違いをうまく表現できなかったのが点を落としたゆえんかと分析。

 次に、②恥ずかしながら行訴法10条1項知らんかった。ゆえに、条文摘示できず、条文なき規範をあげてしもた。ここも落とした要因。

 ③と④は原告、被告それぞれの立場だけども、まあ書くことはいつもの裁量なのでね。無難に。

 これでBだったわけだが、①と②のミスからすればまあ納得。それに得点分布と照らし合わせたら、Aに近いBだったはず。手応えなかったけど、Bで守れたのは少しホッとした。

 この年、つまり平成30年の問題は、29年に比べたら過去問としての重要度が下がると思う。裁量は別に他の年でいいし、原告適格も他の年でもいいし。行訴法10条1項知らんやつはこのブログ読んだらあとで一回条文引いてみて。それだけでもいい、やることは原告適格みたいなもんだし。詳しくは行政法黙示録の記事とか読んで。処分性もそのうち書く。


 以上、2回の受験を通して感じたのは、行政法は俺でもAやBが取れる程度にレベルは低いということ。これは採点実感見てもわかるけど、一応の水準とかみると「え?これでええんか!?せやかて司法試験やで、工藤」ってくらいのレベル(苦手な人にはディスりに聞こえるかも、すまん)。

 俺ができていたのは、
・裁量のところで途中答案等の書き負けがない
・誘導は無視しない
・三段論法は意識
・個別法をなるべく引く

このあたりかな。逆にできないのは、
・事案に即した深い考察
・個別法の解釈
・スペシャルな事実の評価


こんなところ。ということは、できなかった3つは上位Aの要件ということになるんでしょう。もっとも、これは作業ゲーだった29年や30年にのみ妥当する可能性もある。

【3回目】
 さて、今年はどうか。①違法性の承継、②補充性の要件の検討、③裁量と、書くべき内容はひとつ減った。とすると、ここ2年と比べると作業ゲーというよりは現場でじっくり考える系の問題といってよい。とすると、従来よりは深い分析が必要、特に②とかね。そして、それが答案に反映されないと高い評価は取れないのかもしれない。

 それでも、Aは取れるんじゃないかあと。①違法性の論証も平成28年の出題趣旨に沿って書いたし、条文も(解釈こそできていないが)それなりに挙げた。②は、既判力とか使って説明できてないが、直截の規範定立、争点訴訟の指摘等は行訴法45条挙げてるし。③は例年通りの裁量。もちろん上位Aたる①の個別法解釈や、②の説明の不足、③の評価の物足りなさはあるけど、少なくともBには乗っているでしょう。

 あ、友人の行政法答案は実は読んでません。なぜか、受かった友達は行政法ミスってる人が多くて俺のほうができてたから。だからそのあたりの感覚はわからないや。

ちなみい3回目受けるにあたって、行政法の勉強はほとんど何もしてません(自慢とかじゃなくて事実として!!!)。フラグ立ててないぞ。おしまい

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